銅、鉛、亜鉛などのベースメタルに加え、レアメタルメタル、レアアース、貴金属を含む多岐にわたる金属は、現代社会の発展に必要不可欠な素材であり、今後もますますその重要性は増していきます。
一方、優良な資源は枯渇してきているため、従来では経済合理性の無かった難処理・低品位資源、およびリサイクル原料を有効活用する製錬プロセスの改良・開発が急務になってきています。生産プロセスにおける消費エネルギーの最小化、および目的元素を最大限回収することによる廃棄物の発生量低減を通じて、低消費エネルギー・低環境負荷・低コストのプロセススキームを実現することを目指しています。
自動車の電動化いう大きなトレンドの中で、ニッケル系二電池の市場は大きく成長している。ニッケル鉱石からニッケル系二次電池正極材生産ならびに廃二次電池リサイクルの最適プロセスを研究しています。ニッケルはその物理的化学的特性から、構造用合金や特殊鋼に欠かせない金属であり、現代の快適な工業化社会を支える貴重なレアメタルです。加えて、近年、自動車の電動化いう大きなトレンドの中で、ニッケル系二電池の市場は急激に成長しており、近い将来ニッケルの不足が危惧されています。このような社会情勢の中で、当研究室は、ニッケル鉱石からニッケル精錬、ニッケル系二次電池正極材生産ならびに廃二次電池リサイクルの最適プロセスを研究しています。併せて、資源が特定の地域に偏在しており、ニッケル以上に供給が不安視されているコバルトのサプライチェーン並びに精錬の研究も行っていきます。また、共同研究等を通して社会実装を第一義に置いて取り組んでいます。
金は人類が出会った最も古い金属の一つであり、古今東西人々を魅了して止みません。古くは装飾品や交換貨幣用として、現代でも工業化学に必要不可欠の金属としてその重要性はますます増しています。金の生産は様々な単位プロセスの組み合わせであり、多種多様なプロセスが稼働しています。逆説的に言えば、原料対応力、コスト削減、温室効果抑制ガス発生削減、廃棄物削減並びに労働環境改善といった評価軸を加えることにより、まだまだ研究開発によるプロセス改善の可能性は大きいと考えています。本研究室では、貴金属資源から前処理、精錬、リサイクルまで含めた最適プロセスを研究しています。